女性 事務 30代後半

●病歴 30代前半にピンポン玉程度の筋腫を触知。経過観察でいたが、2~3年で、腹診で20㎝程度まで成長し、最近になって就寝時、体勢を変えると尿意を伴うので気軽に動けない。尿意が始まると眠くなるまで一時間に7回も行くことがある。湯たんぽを使うが、足が冷えて寝れないこともある。また、毎日ではないが、筋腫が張って痛みがある。他、症状はなし、月経や排便も問題なし。手術適応だが、望まないとのこと。

●所見・・・特に下腿の冷え。

脈症ー肝虚陽虚証。中~沈、濡~弱、虚。

舌症ー虚、寒、湿、嫩、鏡面舌

腹症ー胃寒、小腹硬満で圧痛。右に顕著。

●一診 肝・腎・脾経を中心に、全身に刺鍼。また、衝・任脈を中心に施灸。足部・仙骨・腹部にカーボン照射。

治療後、手足に血が巡った感じがあり、大部温かくなった。下腹部が張っている感じはあるが、痛みはない。

●二診・・・翌日

一診後、就寝時は手足が多少冷えたが、久しぶりによく眠れた。寝付くまでに体勢を変えるとやはり尿意を催したとのこと。腹部の痛みはない。夕方、仕事の後はやはり足の冷えが気になる。

一診では全身に鍼灸を施したが、二診では全身に加えて頭針(:主に前頭部)位への施術を加える。

●三診・・・一週間後

一週間、下腹部の張り、痛みはほとんど気にならない。手足、特に足は冷える。尿意の方は何となく良い感じがする。まだ、確実にはわからないがとのこと。

●四診・・・翌日

脈証、舌証特に変化なし。腹証、やや硬満に改善がみられるか。右の圧痛あり。

体勢を変えても、トイレに行くほどの強い尿意でないので多少我慢するパターンが増えている感。下腹部多少張り感ある時はあるが、痛みというほどでもなくなった。

●五診・・・一週間後

下腹部の痛みが全くないとのこと。就寝時の尿意は改善しているとのこと。寝る前に保温に努め、水分摂取に気を付けると体勢を変えても尿意がない日が増えている。

●六診・・・翌日

五診と変わらず。頭針の施術は一旦中止し、頭部以外全身の施術に戻した。脈証変化なし。舌証、鏡面舌に改善傾向。腹症、右圧痛は特に変化なし。

●七診・・・二週間後

少し日数が空いたので心配であったが、特別変化はないとのこと。尿意に関しては、ベットに入ってから立ち上がったり、体勢を何度も大きく動かせばトイレに行きたくなるが、寝返り程度では気にならなくなった。足の冷えに関しては、変化がよくわからないとのことだが、就寝時に足が冷えて寝れないことが少なくなっている感。

通院継続してみるとのこと。その後、半年程度定期的に通院。下腹部の張り感・痛みに関してはかなり改善したとのこと。尿意も治療前は毎日であったが、現在はその日の行動や飲食、冷え、気温によるものなのか、一か月に1-5日程度、夜間何度もトイレに行くことがあるが、大部改善したとのこと。