女性 会社員 40代

●病歴 5-6年前に突然発症した。当時は抗うつ薬で楽になったが、28年頃から痛みが強くなった。 痛みで左下肢に力が入らず歩けない。両腕が痛い。左腕から親指にかけてのしびれ。背中も痛い。ほぼ全身に市販のサロンパスを張っている状態。寝返りが痛くて睡眠がとれない。薬は現在調整中だが、痛みどめ、抗うつ薬、漢方薬、睡眠導入剤を処方されている。20代から甲状腺機能亢進症、現在症状は落ち着いている。メルカゾールを長年服用中。

●所見 痩せ。四肢の筋力低下。

脈診ー浮・弦(緊)・数 病脈は左右ともに弦→緊脈、特に右に甚だしい。脾虚陽明経実証ー拘急、血実

舌診ー淡泊、痩舌  腹診―やや腹皮拘急

●一診 四肢、特に左下肢の痛みが酷く、鍼にも敏感なため、短めの一番細い鍼を使用し、少穴で対応する。(一寸:0番)脾、肺の経絡、経金穴を中心に補法。左右の頸部、下肢を主にカーボン照射。灸はなし。

●二診 前回の治療後は久しぶりにゆっくり寝れた。痛みの変化はよくわからない。

●五診 脈診―病脈は右脈 浮・弦・数-脾虚陰虚証 脾、心包の合水補、背兪 人迎気口診(三焦1寫心包1寫)

脈が変化しやすい。日により弦⇔緊に移行しやすいが、初めのような緊脈は取れてきた印象。初診よりおよそ半月後の5診目あたりより、痛みに変化が現れてくる。下肢を中心に、痛みが和らいでいるのがわかり、サロンパスの枚数を減らしてみようかと思っている、とのこと。上肢の指が伸びない。眩暈も出る時があると新たに気になる症状も。他の症状は気になりだした時は主訴好転の兆候である。仕事のストレスの影響も大きい模様。

●九診 初診は9月下旬であったが、11月が近くなるにつれてまた身体が酷く痛だるいとのこと。やはり主に左下肢。力が入らず、膝がカクカクする。気分的にも落ち込む。背中に嫌な汗をかく。胃寒あり。浮・弦・数 肺虚陰虚証―肺の合水穴を主穴として、頸部、背部の穴を中心に施術。頸部、腰、膝、足裏などにカーボン照射。

●十診 症状が一旦落ち着く。このまま悪転に向かうかと心配したが、安心したとのこと。漢方薬が中止となり、ノイロトロピンで安定している。治療をした日は身体が緩んでいく感じがあり、良眠できることが多い。仕事が忙しいと身体に格段とくる。休日はやはり楽である。

●十二診 仕事が忙しく、10日程間があく。やはり体がきついとのこと。サロンパスを大量に張る。

●十八診 季節も本格的に冬入り。季節が安定すると、心身も落ち着く。去年より冬入りが楽である。日により痛みの程度の差はあるが、去年に比べて大部楽である。痛みよりもだるさが気になる日が多い。サロンパスの量が激減した。休日ははぼ張らない。

十八診以降は、気候やその日の動き具合でご自身の調整のもと、来院継続されております。